2015年、オランダ、ベルギー、オーストリア、チェコの4カ国の鉄道を巡った。
車窓を横切る美しい風景、人々との出会い。
関口の飾らない人柄が映し出される人気番組を書籍化。
道中で、関口が肌で感じたことや歴史から学んだこと、
あらゆる視点から旅した国々を振り返る。
表紙のイラストに惹かれて購入。
手書き、イラスト、色鉛筆。あたたかさを感じる扉には、つい手が伸びてしまいます。
この4カ国、私にとっては実に馴染みがありません。
オランダ、ベルギーは、夫が以前仕事で出張にいったことがあり、チョコレートを
お土産に買ってもらったことと、出張期間中、実家の母親を召喚して2人の娘の
面倒を見てもらい、ここぞとばかりに残業しまっくたのが関連する思い出。
夫のほうも、オランダは乗り換えで立ち寄っただけ、ベルギーは食べるものが
なくてサンドウィッチばかり食べていたとか。
いわゆるファストフードみたいな店はなかったようです。
仕事で行った人はそんな感想でしたが、ツーリスト的にはどのような国なのでしょう。
どの国も陸続き。他国に支配された歴史を持っています。
国土面積は小さめ。それぞれ国ごとに問題を抱えています。
その国民性はオープンだったり、クローズ気味だったり、ポジティブだったり
ネガティヴだったり。
鉄道で続けていける国々でこれだけ違いが出るのも面白いと思います。
島国日本で、占領されることなくずっと日本、周りは日本人だらけ、という
環境では、こうした国々のことを理解しようとするのは難しいのかなと。
著者の良いところは気負いがなくて、わからないことを素直に認めているところ。
もちろん、訪れる国についての勉強はされているとはおもいますが、先入観なく
現地での出来事を楽しんでいるように見えます。
そして、感じた現地の人々や土地に情景から自分、日本人、世界の中の日本に
ついて思いを巡らせています。
社会学者から言われると『そうは言ってもねえ』なんて言いたくなるところですが
この方の真摯な言い回しには納得させられるところがあり、うんうん、と
頷いてしまいます。
海外旅行に行くと、レジャー施設を訪ねて美味しいもの食べて買い物して帰る!
というパターンが多かったのですが、これだけの情報と考えを見つけ、残せる
というのはすばらしいし、あこがれます。
そうか、イラストの旅紀行描いてみたかったのか、と、自分の願望を新たに
発見できたのも嬉しい限り。
多くのことを発見し、感じることができるように感性を磨いておこう!
そんな思いにさせてくれる一冊でした。ああ、海外旅行に行きたい。
関口知宏のヨーロッパ鉄道大紀行: オランダ、ベルギー、オーストリア、チェコの40日間
- 作者: 関口知宏
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2016/09/27
- メディア: 単行本
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