『おやつですよ―くり返し作るわたしの定番レシピ集』の
イラストブックレビューです。
この本のおやつは、実際の作業時間が15分前後の簡単なものばかり。
寝かせたり冷やしたりする間は、お風呂に入ったり本を読んだりして、
日々の暮らしの中で気楽に作れるお菓子のレシピ集。
お菓子本ではベストセラーとなった『まいにち食べたい“ごはんのような”
クッキーとビスケットの本 』の著者であるなかしましほさんが手がけた
手軽なおやつのレシピ集。
A5版というやや小さめの判型ですが、時代に流される事なく長く売れて
いるレシピ本て、意外とこの大きさだったりします。その昔は、レシピ
の文字組みが3段だったりして。
その流行を追わない、そしてお菓子そのものもスタイリングも素朴で
懐かしく、作り方もシンプルというのがとても好ましい。
個人的に甘いものは好きではありません。
しかし、お菓子づくりは焼いた後や、冷やした後の形状の変化が楽しいので
結構好き。でもレシピ的に甘すぎるとやはり食べ切れなくて・・・
こちらのレシピは、砂糖の量もそんなに多くはないと思います。
口の中に甘ったるい風味が残るのが嫌なのですが、さっぱりと
いただけるものも多いかと思います。
個人的には粉のおやつの項が好きで、全粒粉のパイ、バタークッキー、
たまねぎビスケット、モカロールにチャレンジ。
子どもたちはうんうん、と言いながらもくもくとたいらげていました。
それぞれのレシピについて、ちょっとしたエピソードがついていて
こちらも楽しい。中でも、思い出のおやつで母親がこんなときに
作ってくれて・・・ なんて話が出るとほっこりします。
そしてスタイリングが全体的にセピアっぽい。暗くはないです。
落ち着いていて、午後の日差しがダイニングに伸びているような
なんとも懐かしい雰囲気。
手にとって眺めているのも良し、食べたいレシピに挑戦するも良し。
肩肘張らずにのんびりと、作る楽しみも感じられるレシピ本です。