ぬこのイラストブックれびゅう

ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

日本をつくってきた人たちはすごい。そしてやばい。

東大教授がおしえるやばい日本史』の

イラストブックレビューです。

 

「すごい」ことを成し遂げて歴史に名前が残った人物たち。ですが、そんな偉業を
やってのける人たちも、大きな失敗をしたり、まわりからドン引きされるような
おかしな行動を取ることがあります。歴史がぐんと身近に、そしておもしろくなる
歴史上の人物の「すごい」と「やばい」をマンガと文章で詳しく解説。

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戦国の世を勝ち抜き、平和な江戸幕府をつくった「すごい」徳川家康は、武田信玄との
戦いで、ビビってうん◯をもらした。悩み苦しみながらもベストセラーを連発し、弟子
まで育てた「すごい」夏目漱石は、原稿用紙に鼻毛を植え付け、弟子にコレクション
される…などなど、面白エピソードが満載です。

二六四年続く江戸幕府を開いた徳川家康。ずる賢く「たぬきオヤジ」と言われて
いましたが、天下統一を果たし、長く続く平和な世の中の礎を築いた偉大な人物です。
その徳川家康が、なんとうん◯漏らしていたとは!!三方ヶ原の戦いで、戦国最強と
言われた武田信玄と真っ向から戦うことに。全く歯がたたず、ほうほうの体で逃げ
戻ったそうです。その際、恐怖のあまり、お尻から出てしまったようです。

その際の家臣とのやりとりが秀逸。

ようやく浜松城に帰ったとき、家康のよごれたおしりを見た家臣が
「殿!ビビってうんこをもらしたのですな!なんと情けない!」と叫んだので、
家康は「こ、これはクソではない!腰に付けてた非常食用のミソじゃ!」と言って
なんとかごまかしました。(いや、くさいし、たぶんごまかせてませんが…)。

ミソかよ!家臣もね、殿にそこまで言われたらハイ、ミソですね、ミソミソ。
と言うしかありませんよね。家康ももらしたことはごまかすのですね。いや、
堂々と「オレもらしちゃった!」って言うのも変かな…。いずれにしろ、
命がかかった極限状態だったので、まあ仕方のない状況だったのでしょう。

しかし、この話にはまだ続きがありまして。家康はこの時の情けない自分の
姿の肖像画を描かせて、自分の恥ずかしい姿を残し、自分自身の教訓として
いたようです。さらに家臣には、ふんどしは汚れが目立たないように白じゃ
なくて黄色を選ぶといいよ!などとアドバイスまでしたとか。さすが天下人。
全てが生きるための糧になるようです。やばいけどやっぱすごい人だ。

このように、歴史上に名を残す人物たちの「すごい」と「やばい」のエピソードを
イラストや漫画を交えて解説します。清少納言は美しい文章が注目されているが、
貧乏や美しくないモノの悪口を言いまくっている、とか紫式部はインテリだけど
かなりの毒舌、など、テストの時の暗記の対象でしかなかった人物たちが生き生きと、
人間味のある様子で描かれています。

すごい人たちは特別な部分もあるけれど、やはり間違いも失敗もする一人の
人間であるのだということがよくわかります。そう考えると、彼らのことが
身近に感じることができ、また彼らが生きた時代背景についてもすんなりと
頭に入ってくるようです。

日本の歴史はつまらない、興味ないなあと言う方には、とても楽しめる本です。
笑えるイラストと表現が満載なので、小中学生にも喜んでもらえるのではないで
しょうか。それにしても、偉業を成し遂げたすごい人物たちのもう1つの顔を
知ることができる、おもしろ歴史本です。

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