ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

あたりまえがめっちゃぜいたく

シリーズあたりまえのぜひたく。 

〔3〕(定番、国民食は玉子焼き。) 』の

イラストブックレビューです。

あたりまえのぜひたく。  ~定番、国民食は玉子焼き。~

あたりまえのぜひたく。 ~定番、国民食は玉子焼き。~

 

 

今すぐ食べたくなる、作りたくなる至福のコミックエッセイ。
ちょっとウルサイ担当編集者も思わず唸る料理の数々。

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幸せすぎるアジフライ、手作り白湯で鳥の水炊き、
春の香り全開の山菜スパゲティなど、秋から春にかけて
季節の素材をふんだんに使ったり、ほんのひと手間を
加えただけで、口にした時に思わず「んーー❤️」と声が出る
口福な料理たちが、作り方とともに出てきます。

お料理漫画を描く作者の、きくち正太さんと奥様が
さまざまな素材を手際よく、愛情を持ってお料理していきます。
秋田出身のご夫婦ということで、ハタハタや山菜も登場します。
特別な素材ではありますが、そのありがたみ感がハンパない!
山菜の美味しさが理解できなかった二十代の頃、秋田の
料理屋さんで出されたコゴミのおひたしの、あまりのうまさに
びっくりした記憶があります。

でもね、東京近辺で食べても同じ味には巡り会えないのです。
山菜が取れる現地で調理された、というのもあるのでしょうが、
きっと、この山菜のおひたしを作った料理屋のおかみさんが、
このきくち先生ご夫婦のように、素材のありがたみを感じて
美味しく調理しよう!美味しく食べよう!という気持ちを込めて
作っていたからなのだろうなぁ、と思います。

他にも、アシスタントさんたちへの夜食として作るすいとん
秀逸。鶏肉、人参、里芋、大根、ゴボウ、油揚げ、
長ネギを切ったそばからどんどん鍋に投入。
小麦粉、片栗粉、水を混ぜてこねる。
具材が煮えたら調味料投入!味付けはお醤油のみ!シンプルに。
こねた小麦粉を丸めて軽く平にしたら鍋に入れて行く。
最後に味の仕上げでもう一度醤油を入れて、芹、舞茸を入れてさっと
煮たら終了。

特に変わった作り方ではありませんが、出汁などを加えないことにより
野菜と肉などの具材から出た味、うまみが、強く感じられるのだとか。
それをしょうゆ味がまろやかに包むのです。

難しいことはしていないのに、なんかホッとして体に
染み込んでいく感じがするのは、子供のころおばあちゃんが
作ってくれた料理を連想させます。

こうして作られた料理を食べる描写がまたいい!
大きな口をあーん、と開けてはむっ、モグモグ。
「んー❤️ 」
続けてもう一口はむっとした後はすかさず酒!
「んーーー❤️」
実に美味しそうです!もうたまらん!

お料理上手なきくち先生ご夫婦は、素材の大切さ、ありがたさを
良く理解していて、その素材を最大限に美味しくいただくために
手間は惜しまないのでしょうね。
その姿勢には尊敬してしまいます。
あたりまえのぜいたく、とありますが、あたりまえこそが
有り難い、とても恵まれていることなのだなぁと感じさせてくれます。
また、日本にいるからこそ食べられるおいしいものたちが
こんなにもあるのだな、ということを教えてくれる、
おいしいコミックです。