ぬこのイラストブックれびゅう

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雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

あなたの人生、もてなします

プリズンホテル〈2〉秋』の

イラストブックレビューです。

 

 

プリズンホテル〈2〉秋 (集英社文庫)

プリズンホテル〈2〉秋 (集英社文庫)

 

 

花沢支配人は青ざめた。なんの因果か、今宵、我らが「プリズンホテル」へ
投宿するのは、おなじみ任侠大曽根一家御一行様と警視庁青山警察署の
酒グセ最悪の慰安旅行団御一行様。
そして、いわくありげな旅まわりの元アイドル歌手とその愛人。
これは何が起きてもおかしくない…。仲蔵親分の秘めた恋物語も明かされる
一泊二日の大騒動。愛憎ぶつかる温泉宿の夜は笑えて、泣けて、眠れない。

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今回は死人が出ることもなく(汗)、仲蔵親分の過去も明らかになったり
警察とヤクザによる宴会場での対決があったりして、見所がもりだくさんです。

人相の悪いマルボウ警官がヤクザと間違えられたり、事件に対する大きな実績はなく、
慰安旅行企画部長として定年を迎えようとしていた地味な警官が、実は
すごい人だったとか・・・いろいろと驚きの連続です。

もう~ 警察とヤクザがうろつきまわるたびに『ああ、鉢合わせになっちゃう!』と
ハラハラドキドキ。このあたりの展開は非常に上手で、舞台なんかでやったら
相当おもしろいでしょうね。

仲蔵親分の恋物語も見逃せません。表向きはヤクザ界の重鎮ですが、過去には
こんなことがあったとは。その思いをずっと内に秘めていたところにも
グッときます。

忙しく、でも置いていかれることなく、読者を笑いと涙と感動の世界に連れて
いってくれます。
ホテルの支配人さんの仕事ぶりが特にすばらしい!
でも泊まるには勇気が必要かも。