『ねことじいちゃん』の
イラストブックレビューです。
ねことじいちゃん (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
- 作者: ねこまき(ミューズワーク)
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2015/08/07
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (5件) を見る
とある島で、妻に先立たれた老人と猫が暮らす日々。
75歳の大吉さんは、2年前に妻に先立たれ、猫のタマと二人暮らし
意思が疏通しているような、してないような、そんな二人が
海が見える家で、のんびりと暮らしています。
猫好きにはたまらない、猫の生態の数々が、著者のやわらかいタッチで
とてもやさしく、可愛らしく描かれています。
都会と違って、野良もたくさんいる田舎の島。
飼い猫タマも近所の猫たちの集会にも参加して、仲良くやっているようです。
新聞を読んでいると、その上で寝転ぶ、膝の上に乗ってくるくせに撫でると
怒られる…などなど、猫飼いあるあるもたくさんあって楽しめます。
大吉さんも、近所の皆さんとコミュニケーションをとりながら、自炊もして
季節を楽しみ、妻のことを思い出し…とちゃんと生活しています。
自分だったら、連れ合いに先立たれたら引きこもってボケるかも。
季節ごとに、いろいろな料理チャレンジする大吉さん。
妻がかつて作ってくれたものだったり、子供の頃の思い出だったり。
年をとるということは、それだけいろいろな経験をしていくことなのだな
と、しみじみと思います。
当たり前のことなんだけど、その経験で今の自分があって、それを
自分の記憶の引き出しからちょこちょこ取り出して眺めていくのは
生きていくための大事な糧になるのではないかな。
でも、記憶ばっかりじゃ寂しいな、と思った時には、傍に猫がいる。
ゴロゴロ喉を鳴らして横にいてくれたら、それだけでこちらも幸せな
気分になれるのです。
大吉さん、75歳。ときどき健康的に不安な面もあるけれど、タマと二人なら
ホンワカと楽しく、穏やかな日々を過ごしていけそうです。
こんな老後が過ごせたら幸せですね。自分としてはコミュニケーション能力を
高めることが課題になるのですけれど。