ぬこのイラストブックれびゅう

ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

埼玉県民は広い心を持っているのだよ

翔んで埼玉 』の

イラストブックレビューです。

翔んで埼玉

翔んで埼玉

 

 

パタリロ!』で知られる魔夜峰央の伝説の作品、『翔んで埼玉』。
強烈な埼玉ディスぶりに、埼玉県民はもう笑うしかない!?

f:id:nukoco:20180421111705j:plain

「埼玉から東京に行くには通行手形がいる」
「一生に一度は三越に行くのが埼玉県民の夢」
「病気になっても医務室は都民のもの」

などなど、強烈に埼玉県民をディスった本書。
設定としては、東京が優れた都市であり、文化度が高く住民も豊かである。
埼玉県民は文化的に遅れており、貧しく、肥溜めの匂いがしみついて
いる(ひどいな)。というか、ここまでくるともはや笑ってしまいます。

舞台は東京の都内でも評判の高い名門校。
ここへ、アメリカ留学から帰ってきた一人の学生が転入します。
魔夜先生お得意の見目麗しいその転校生、麗 麻実は
その美しさと文武両道な活躍で、たちまち人気者に。
それを妬ましく思う学園理事長の息子、白鵬堂百美。
…という昭和の香り漂う懐かしい設定です。

しかし、魔夜先生の細く美しい、スッキリとした線、そして
真剣な表情でおそろしくくだらないセリフを吐くところなんかは
パタリロを彷彿とさせ、懐かしい気持ちになります。

麗 麻実が埼玉県民とバレて逃げ、革命の機会を伺っていたところに、
白鵬堂百美が後を追って埼玉へとやってきます。
そこで、百美が何とサイタマラリヤという伝染病にかかってしまうのです。
サイタマラリアて(笑)!
百美を助けるために捕まりそうになった麗を救ったのは…。
と、テンポよく話は進みます。

3話で終わってしまうのがもったいない。
まだまだ展開が期待できそうなので、ぜひ30年ぶりに続きを執筆して
もらえないでしょうかね。

私は埼玉県出身なのですが、こちらはとても楽しく読めました。
読み終わった後、ぜひ埼玉県民と感想を共有したい!と強く感じました。
いちばんひどいと思った部分はどこ?とか(笑笑)。

坂が少なく、平らな土地が多い埼玉は、ものごとに対して大らかなのでしょう。
この強烈な埼玉ディスぶりにも、笑って読める埼玉県民の冷静さと心の広さが
この本をヒットさせた原因なのかもしれませんね。
埼玉のますますの発展を祈っております!