ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

「誰とでも」話せるって、大人でも難しい

誰とでも15分以上 会話がとぎれない! 話し方

そのまま話せる! お手本ルール50』の

イラストブックレビューです。

 

誰とでも15分以上会話がとぎれない話し方。
そのまま使える「お助けフレーズ」のみならず、
はずむ会話の具体例をたっぷり紹介。

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仕事をやめてから人間関係がガラリと変わりました。
新たに幼児のお母様方と接する機会が増えました。
さて、そこで困った事態が発生。
何を話していいかわからないのです。

仕事の時は、会社の状況やプロジェクトの進捗なんかを話題にしていれば
あっというまに小一時間は経過します。

お母様方との会話については、会社の状況とは家庭の状況を示し、プロジェクトの
進捗については子育ての進捗をあらわします。

初対面の相手に対して御社の状況は、と聞く事はできます。
ある程度ホームページで公表されてるしね。

しかし初対面のお母様に対して、家庭の状況なんて聞けないでしょ?
自分だって初対面で家庭内で問題ない?とか聞かれたら、
はあ?なんですかアナタ、とか思いますし、、

なので無難にプロジェクトの進捗状況、つまり子供があれこれできて
すごいですね、あるいはここが可愛いですね、と褒めるのが吉。

しかし、もともとあまり子育てに熱意を持たず、上の2人は保育園に
全面的に育ててもらったため、自分は子供を褒めるスキルが非常に
低いのです。我が家の家庭内に関しては夫や義母などの褒め上手な
皆様に囲まれているので問題ないですが、末娘と私の2人で出かけたら
そうはいかない。

はて困ったなあと思ったところで出会った本書。数年前に話題となった
ものの、今回は実践編に焦点を当てています。
具体的な事例が掲載されているのでわかりやすい。

こちらがある程度情報を開示してから相手に問う、とは会話の基本でありますが深く納得。

自分はいわゆる表面だけの会話を苦手としているのに、相手に対して
突っ込んだ話はしない、という難しい条件の中、自分の事は少し突っ込んで話す、
と示してくれるのには納得がいくのです。

環境が変わって会話に悩む人、コミュニケーションの方法として会話というツールを
使いこなすのに役立つのではないでしょうか。自分もたまに本書を開いて、うんうん、
と頷きながら読んでいます。

英国一家、西日本で食べてみた

コミック版 英国一家、日本を食べるWEST』の

イラストブックレビューです。

コミック版 英国一家、日本を食べるWEST

コミック版 英国一家、日本を食べるWEST

 

 

『英国一家 日本を食べる』コミックの西日本編。

京都の生麩や懐石料理、大阪が誇る庶民の味、
下関のフグ、沖縄の宮廷料理まで様々な味にチャレンジ!

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東日本編に比べて、失速感があるのは仕方がないのか。

東日本は焼き鳥や焼き蕎麦、天ぷらなど、わりと
外国の人でもとっつきやすそうな食が紹介されていたが、
西日本ではフグやサザエ、ウミヘビ(!)など、日本人でも
好みが分かれるような、各地域での伝統的な食を多く取材されています。

そのせいか、やはり敷居が高かったのかな?

著者にとっておいしい!と感じられるものは前回よりも少なかった印象。
東日本である程度日本食の認識を高めたために、より日本的な
食を試してみようと思ったのでしょうか。

それにしても、さばいた後のフグのキモに指をつけて舐めてみるとか
(毒があると知ったうえで!)ダメでしょ。
事なきを得たから良かったものの、冗談では済まされない。

著者のマイケル・ブース氏は、こういった子供っぽい所を持ち合わせていて、
東日本編ではお茶目でユーモアある人のように映りましたが
今回は受け付けませんでしたね。
フグを調理する方も、油断できませんね。まったく。

他にも、心霊体験したり、お子さんが身体的トラブルにあったりと、
マイナス要素が全体的に強かった。
それと、食自体よりも、その食事をする際に起こった出来事のほうに
焦点を当てているようで、消化不良。食自体の文化的意味への感想を
もっと聞きたかった。

東日本に比べて楽しい要素が少なかったために、読後感は今ひとつ。
ただ、元気盛りの子供たちを連れて、日本各地を巡ったことは
素直にすごいなあと感じます。

そして、日本の食文化をジャーナリストの目線で子供達や読者に
伝えてくれたこと、そのようにして日本の食文化を広げ伝えてくれることは
非常にありがたいことです。

自分の子供たちに日本の食文化とは、と説明するにも役立つ一冊に
なってくれたと思います。

 

 

 

毎日の食事で心と体を健やかに

毎日の食事でちょっとした不調を改善できる。
症状別にレシピや食材の使い方をイラストで紹介。

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喉が痛い、咳が出る、便秘、ストレスで眠れない…など
病院へ行くほどではないけれど、薬を買って飲むのもなんだかな〜。
そんな時には食事で改善できれば手軽だし、安心。

日常的に買える食材や調味料で、簡単なレシピを教えてくれます。
また、イラストが可愛らしくて癒されます。
夫婦や子供への対応、お姑さんとのやりとりなど
さりげなくあるある感が満載で共感度高し。

体調不良というのは身体の機能がうまく働かなくなっている状態。
これをもとのように戻してくれる食材の働きと、反応する身体機能って
すごいなあと改めて感じます。

もう一つ感じるのは、食べたものが身体を作っているのだということ。
とても大事なことなのですが、つい忘れがち。
こういった健康にまつわる本を定期的に読むことで
再び思い出して食事の内容に気を遣おう、思えるのです。

今回は風邪で咳が出ていた小学生次女と幼稚園児の三女に
茹でレンコンの梅しそ和え、梨と柿ホットジュースを作ってみました。
処方箋の薬とは違いますから、劇的に回復、というわけにはいきませんが
ちょっとずつ良くなったようです。

子供にとって、病気の時のおかゆやうどんの様な特別なごはんは
どうやらテンションあがるようです。ふだん食べないものですから。
それで血流が良くなって回復傾向に向かうという面もあるんですかね。
病気でない長女も食べたがります(笑)。

元気な身体にも美味しく食べられるメニューがたくさんあるので、
ちょこちょこ手に取って作ってみるといいかも。
『レンコンは咳にいいんだって』なんて子供たちとの会話もふくらむと
日々の食卓にまた楽しみが一つ増えるのです。

 

 

おいしく食べて体に効く!  クスリごはん

おいしく食べて体に効く! クスリごはん

 

 

じんわり心にしみてくる 人生とお酒たちの物語

二子玉川にある大人の止まり木、バーリバーサイド。
ここには疲れた大人が羽を休めるためにふらりとやってくる。
お客たちが語る出来事は、読む者の心に何か影を落とす。

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バーの窓から見える双子玉川。川は境界をイメージさせる。
あちら側とこちら側。間には常に流れる水。
川の向こう側にあるのは美しい桃源郷か、それとも死後の世界か。

バーの静かな空気と心地よい酔いで、その境界が曖昧になる。
それが不安でもなく、ときめきでもなく
『ああそうか』と、胸にストンと落ちる感覚。

若い頃ほど、死が決して遠い存在でないことが関係しているのかも
しれない。

1番若い、20代の女性客はそんな曖昧な世界に一石を投じる。
至極現実的な仕事の悩みをぶちまけて、生のエネルギーを溢れさせ、
物語にいいアクセントを加えている。

それぞれのお客に合わせて、カクテルやお酒が登場する。
こんな風に物語が生まれてくるのであれば、お酒が飲めるのって
悪くないな、と思う。

人の生き様が酒の味わいを広げてくれる、そんな風に感じて、
酔いのような、じんわりとあたたかな余韻が残る物語。

 

 

バー・リバーサイド (ハルキ文庫)

バー・リバーサイド (ハルキ文庫)

 

 

別の目線からとらえる日本の「食」

パリ料理修業時代の友人から渡された辻静夫の名著に導かれ、
遠くロンドンから「日本を食べに」やってきたブース一家
新宿、築地、銀座から伊豆天城、北海道は札幌、南茅部まで、
原作に描かれた《東日本》での旅のようすを大胆に漫画化!。

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ベストセラーとなった本書。なんとなく興味はあったのだが
読むのがしんどうそうだなあ・・・
なんて思っていたらコミック発見!これはいいじゃないか~と
手に取りました。

英国人から見た日本食のイメージ。見た目ばかりがきれいで味が薄い。
なるほど~。出汁と白しょうゆなんかで作る煮物は素材の色しか
見えませんしね。

それにしても、出汁や素材の味って、理解できるのかな?
日本人であるわれわれは食べなれていておいしいけど
料理がいまいちと評判の(失礼ですが)イギリスの人に
おいしいと感じられるのだろうか。

本書の中には、日本料理「壬生」での食事の様子も記されて
います。ここでの料理を口にしたとたん、著者はおいしさの
あまり身体が震えたのです。

震えるほどとは!著者がフードジャーナリストであることから
様々なものを食べている経験があるとは思いますが、
おいしさのあまり震えるなんてことがあるんですね。

服部栄養専門学校服部幸應氏にも取材を行い、日本料理に
ついてインタビューします。古きよき日本料理が廃れていくこと
への危機感や食生活の乱れなど、日本の食全般についての
意見はなるほどと納得するとともに、確かに何とかせねば
ならない問題だなと感じます。

驚いたのは、この東日本編で取り上げられていた料理の多さ。
焼き鳥、天ぷら、クジラ、ラーメン、蟹・・・
改めて、日本ていろいろなものを、いろいろな調理方法で
食べているのだなあと感心してしまいました。

一家で旅行しているゆえに、様々なトラブルに巻き込まれる
様子も、ユーモアたっぷりに描かれています。
子どもはどこの世界でも同じですねえ。

たまに調子に乗ってしまう、子どものような著者と頼れる奥さん、
そして二人の怪獣くんたちが繰り広げる日本の食紀行は
楽しい笑いを読者に提供し、日本の食に力を尽くしてくれている人たちの
存在を明るくナビゲートしてくれます。

やっぱり、日本の食は素晴らしい。
そう思えるコミックエッセイです。

 

 

コミック版 英国一家、日本を食べるEAST

コミック版 英国一家、日本を食べるEAST

 

 

安定の疾走感とキレの良さ

小劇団、シアターフラッグ。
度重なる赤字運営により、劇団は解散の危機に追い込まれる。
そこで手を差し伸べてくれたのは劇団運営者、巧の兄である司だった。

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非常に分かりやすい、
劇団再起に向かっていく劇団員たちのストーリーです。

キャラクターがそれぞれクッキリと浮き出ており、個性が強い。
愛され弟キャラの巧、ツンデレ兄貴の司。そして劇団の空気を変えた
新入りの千歳は大人しく見えてコンプレックスの塊&負けず嫌い。

気になるのは、全体的に表現やセリフが大げさというか、それこそ芝居っぽい?
逆にあえてそのように意識されているのかなとも思いますが。

展開は見通しがつきやすいところはありますが、ポンポンポンと
物語が進行して行くスピード感は気持ちいいものがあります。

そして、劇団の運営管理がテーマとなっているのですが
ここの表記は楽しめました。予算管理の仕事もしたことがあるので、経費の
節約具合や、タイアップに持ち込んでしまえ!といった箇所は
どこも同じなんだな、と。なるべく手と金をかけずに利益を出したいですよね。

それから演じるが側がお金に無頓着であること、ここも共感です。
制作側は縛りがないとどこまでも飛んで行っちゃうんだよね〜、うんうん。

ラノベのような、マンガのような、ドタバタしたやりとりは有川さんの
売りの一つではあると思うのですが、とりわけこの話は動きが大きいようです。
共感しきれずに、ちょっとしらけてしまう部分もあり。
個人的には静かな展開話のほうが好みかなあ。

芝居や劇団自体に興味がある人には楽しめるのでは
ないでしょうか。中学生の娘にも、楽しく読めたようです。

 

シアター! (メディアワークス文庫)

シアター! (メディアワークス文庫)

 

 

内臓が強かったら明日はわが身

抱腹絶倒のブログ「オリモノわんだーらんど」で注目を集めた
漫画家まんしゅうきつこ。
そのブログの存在は瞬く間に世に広まり、各所から漫画・イラストの
仕事が殺到した。しかし彼女はその陰でひとり、アルコール依存症
もがき苦しんでいた――。

まんしゅうきつこ初の描き下ろしエッセイ漫画。アルコール依存症
ゆえの大暴走の日々を綴ったノンフィクション。

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巻末には対談とともに著者の写真が掲載されています。
美人ですねえ~。色っぽい。いやはや。
こんな美人が、酔っ払ってトークイベントで
〇〇を出すとか・・・ あり得ない。でも見てみたかった。

ブログで細々と漫画を描いていたまんしゅうさんが
そのおもしろさゆえに話題となり、日々ネタを
探すことに追い詰められ酒に手を出します。

そこからアル中の世界へ一直線。
酒がもたらす失敗エピソードには背筋が凍る思いです。
自分にも心当たりが・・・ 
玄関の前で鍵とライター(喫煙者だったので)持って倒れていたとか。
家に火をつけなくて良かった。人に迷惑をかけるのはいけませんね。

アル中か、そうでないかの境目っていったい何なのでしょう?
自分も毎晩お酒を飲みますし、昼から飲むこともあります。

今は飲みすぎると疲れるので、記憶をなくすほどは飲めません。
でも、体力があった20~30代の頃に何かきっかけがあったら
自分もアル中になっていたのかもしれない。
でもやっぱり無理かな。吐くな。

まんしゅうさんのヘタウマ風な画像が、話を重くなりすぎず
かといって爆笑、というわけでもなく、読者を諭すわけでもない。
不思議な雰囲気にまとめあげています。

読んでいてつらくなる部分もあり、しょっちゅうは読まないですが
たまに開いて読みたくなる。
そんな中毒性のある本かもしれません。

 

アル中ワンダーランド

アル中ワンダーランド