『天才月澪彩葉の
精神病質学(サイコパス)研究ノート 』の
イラストブックレビューです。
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天才月澪彩葉の精神病質学(サイコパス)研究ノート (アルファポリス文庫)
- 作者: 玄武聡一郎
- 出版社/メーカー: アルファポリス
- 発売日: 2018/09/01
- メディア: 文庫
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サイコパスの研究をしている大学院生・月澪彩葉は、サイコパスの思考が理解
できるため、警察の事件にも協力していた。自分が理解できないサイコパスに
会いたいと願う彩葉の周囲で、サイコパスによる連続殺人事件が発生。事件解決の
鍵を握るのは、「共感覚」を持つ大学一年生、北條正人だった。
人がまとう本質のようなものを、独特な形で見えてしまう共感覚の持ち主、北條
正人は、彩葉の研究を手伝うアルバイトをすることになります。正仁が持つ、共感覚の
力によって見える人の本質のようなものは、これまでは見えたり見えなかったりして
いましたが、研究の協力をするうちに見るコツを得ていきます。
研究のためのアルバイトとして、同じ学部の明乃麗奈とデートすることになった
正人。二人で乗った観覧車の中で、正人が見た、麗奈がまとったいつもと違うもの。
そして「私を見ないで」という麗奈の言葉。その日から麗奈による、正人への監視が
はじまって…。
一方、連続殺人事件の犯行は一貫性がなく、理解に苦しむ彩葉。正人の共感力に
よって導き出された意外な容疑者とは。そして、その人物に近づいた彩葉が得た
事実とは。
人がまとう本質のようなものが、色のついたモヤのように見えたり、動物や、気味の
悪い植物のような形で見えたりする正人。研究に協力することで、その能力は磨かれ
ある程度、人が発する感情や、その人が持つ性質のようなものを形として見ることが
できるようになっていきます。それと同時に、リアルな悪夢にうなされるようになり…。
彩葉と正人らによって、犯人の正体が少しずつ明らかになっていく過程で、二人とも
危険な目にあったりと、どこまでもハラハラドキドキが続きます。
サイコパスや共感覚といっても様々な種類があるということ。
人の感情を理解することが欠落していると言われるサイコパスも、生きることに苦しみを感じることがあるということ。
サイコパスについて新たな認識を与えてくれ、そして彼らの苦しみと希望を描いた
新しいサスペンス小説です。