ぬこのイラストブックれびゅう

ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

「自由」ってのはこういうことだ

読書人が集う『シミルボン』にて、インタビュー記事掲載!

https://shimirubon.jp/columns/1691046 

 

アソビくるう人生をきみに。 

好きなことを仕事にして、遊ぶように生きる人生戦略 』のイラストブックレビューです。

 

好きじゃない仕事を、いつまで続けるの?
「好きなことだけして生きて行けるほど、世の中甘くない」という
常識のレールから外れることを二十代で決めた。そんな著者が、
好きなことを仕事にして、遊ぶように生きる人生戦略を提示する。

 

f:id:nukoco:20180818124744j:plain

大学を卒業して上京し、普通の会社に2年間勤めた著者。
仕事の内容や人間関係に大きな問題があったわけではありません。
しかし、毎日の仕事で感じるちょっとした違和感。周囲はスルーして
いくし、自分でも「会社」ってこんなもんか、とやり過ごしてきた
つもりでいました。そうした自身の声に、聞こえないふりを続けた結果、
ある朝、涙が止まらなくなってしまったそうです。

自分の心の中の声が聞こえるのは大事なことです。
「せっかく入れた会社なのに、辞めてしまうの?」「会社辞めて、どうやって
生きていくの?」「バイトだけではとても無理なんじゃ?」
「若いから、先の事を考えずにやめることができるんじゃないの?」

周囲の人は「心配」「あなたのためを思って」という仮面をかぶって
あなたに常識という縄で縛り付けていきます。
そこから、解き放たれてみませんか?というお誘いの本です。

仕事をするのがつらいと思っているのは自分自身。
あなたの辛さの一部は、他人にも理解できるかもしれませんが、
全てを理解したり共感したりするのは無理なんです。

話しかけてくる人と、自分自身は異なる人間です。だから感じ方も
違って当たり前。ぶっちゃけ世間だって、共通認識を持って同じ道を
歩いていればラクだよね、という人たちが作ったものなのですから
そこに迎合しなくても何ら問題はない。会社辞めても死なないですから。

同じ環境にいると安心しますけど、思考が固まってきますよね。
自分も、会社のルールに沿って頭が変化していくのを感じていました。
自分の場合は割と非常識な部分もあったので、逆に勉強になったりして
よかった点もあります。ただし、新しい発想は出てこないです。
経年を重ねるにつれ、できない理由は山ほど用意できますが、新しい
発想というのがなかなか出てこなくなりました。そして何より楽しくなくなった。
それが自分が会社を辞めた理由です。

著者は会社を辞めた後、好きな事をしてどのように稼いできたか、を
述べています。今でこそ自分の好きなこと、自分の強みを生かした仕事をしている
著者ですが、以前はそれが何なのか分からなかったそうです。ブログを
書き始めたことで、自分が続けることができたり、周囲の人から認められたりして
初めてそれが自分の強みなんだと理解できたとか。

だから、とりあえずやってみること。続いたものは得意なもの。褒められた
ものは強み。やってみないことには始まらないわけですから。

自己啓発本などの内容と比較して、特別目新しい内容はないかもしれません。
自分が感じたのは、こうした普通の、活発とは言えない普通の女性が、
自分自身で望む未来を手に入れる。そういう時代がやってきたということ。
会社に就職した。退職した。もうダメだ。っていう時代ではなくて、
会社で働くの無理みたいだから、自分で、好きな事だけ仕事するわ〜と
いうのが珍しくない時代、働き方の多様化の到来を感じさせました。

アソビくるう人生、と著者は言っていますが、そのアソビだって本気で
やり倒すから仕事になるんです。「好き」は武器、「できる」は強み。
肚を決めたアソビからは、豊かで彩りある人生が生まれるのです。
自分の未来が想像できない、考えたくない、自分のやりたいことが
よくわからない、好きなように生きたい!そんな風に考えている人に
おススメの一冊です。