ぬこのイラストブックれびゅう

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雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

密室殺人の謎と迫りくる恐怖に立ち向かえるのか?

屍人荘の殺人』の

イラストブックレビューです。

 

 

神紅大学ミステリ愛好会会長であり、名探偵である明智恭介とその助手・葉村譲、そして同じ大学の探偵少女・剣崎比留子の三人は、曰く付きの映研の合宿に参加する。ある出来事によりペンションに閉じ込められてしまった合宿参加者の中の一人が、死体となって発見される。そしてまた翌日には別の人間が…。建物の内側と外側から迫りくる恐怖の中で、彼らは犯人を見つけることができるのか。

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映研の夏合宿は、大学OBの親が所有するペンションで行われました。人数合わせと、何かが起こるかもしれないという理由で、剣崎が明智と葉村に声をかけ、部外者である三人も合宿に参加することに。昨年の合宿中にあったある出来事のために一部ギクシャクとした映研メンバー。それでもバーベキュー、肝試しと少しずつ和やかな雰囲気になってきたその時、ある「出来事」が起こり、彼らはペンションの中に閉じ込められてしまいます。

 

この「出来事」が物語の重要なポイントとなるのですが、ネタバレになってしまうので書くことができません。しかしこの「出来事」によりペンションの外へ出ることができず、下界からの救出を待つしかないのですが、いつ助けが来るのか目処が立たない状況です。つまりは建物自体が密室状態となっていて、外側からは危険が迫り緊張感が漂います。

 

そんな中、メンバーの一人〇〇が外部からの被害に遭った様子で殺害されているところが発見されます。鍵がかかる密室状態での殺人、それとも外部から侵入した何かが彼を殺したのか。鋭い頭脳と推理力を持つ剣崎と、根っからの助手体質である葉村は状況からあらゆる推理を働かせます。清楚な見た目と、確かな推理力、ちょっと変わった部分もある剣崎ですが、彼女が名探偵と呼ばれることになったのは、悲しい理由があり…。

 

思いも寄らぬ状況設定、ミステリーファンが喜ぶ古典的な密室殺人事件、多くの登場人物がありながら混乱することなくすんなり読める個性的な人物設定など、どこからどう切り取っても規格外で楽しめる要素が満載なエンターテイメントサスペンス。物語だからこそ楽しめる世界、迫りくる恐怖への緊張感と推理の楽しみ、謎解きのスッキリ感。いろんな場所が刺激される、全く新しいタイプのミステリーです。

 

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