ぬこのイラストブックれびゅう

ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

下着を通して自分の体の声を聞き、心に向き合って生きる

フィッターXの異常な愛情 』の

イラストブックレビューです。

編集

 

広告代理店に勤める國枝颯子、32歳。
仕事も忙しく、生活も不規則。昨日も化粧をしたまま眠ってしまった。
そして急いで出勤する途中で、ノーブラであることに気がついた…。
慌てて近くにあったランジェリーショップに飛び込むと、出てきたのは
男性フィッターの伊佐治。驚く颯子だが、背に腹は変えられぬ!と
サイズをはかってもらうと、伊佐治の口から出てきたのは衝撃の言葉。
颯子はフィッティングを通して自分を見つめなおしていく。

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メイクを落とさずに寝てしまうことがある。
3年以上、下着のサイズを計測していない。
脚を組むくせがある。
スポーツジムが3ヶ月も続かない。
10代の頃から肩凝りに悩まされている。
主食はラーメンとビール。
20歳の頃と比べて5キロ以上太った。

体を見ればその人がわかるという、伊佐治。
そしてそれらがことごとく当たってしまっている颯子。結構ダメダメな
生活ぶりが指摘されてしまい、驚くやら恥ずかしいやら。

しかし、急いで購入するブラを決めて身につけると…。
普段見ている自分とは違う自分が、鏡の中にいるのです。
適当なサイズのブラジャーを適当に身につけていた時と全く違う、
高さもボリュームも出て、しかも脇はスッキリとなっているのです。
すばらしいですね。

体にあったブラジャーを身につけた颯子は、これまで言われるがままに受け入れて
いたクライアントとの打ち合わせで、はじめて自分の意見を述べます。
叱られるかと思いきや、相手は好感触。もっと意見をぶつけ合って、広告案を
詰めて行きたかった。そう言われたのです。

ここから颯子は少しずつ変化をしていきます。
自分の身体の声を聞く。心の声を聞く。
イベントに合わせて下着を購入し、過去の恋と決別をし、新しい恋に
心をときめかせ。そして、自分を大切にし、自信を持つことで、まわりの状況に
目が向くようになった颯子は、仕事の面でも活躍していきます。

一番肌に近い存在である下着。自分の体にあった、しっかりとした下着を
身につけることで、自分の芯が支えられるのかもしれません。
見えない部分でありながら、女性を輝かせる重要な役割を持つ、名脇役
それが下着の本当の仕事なのかもしれませんね。

ひとまずサイズをはかりに行かねば…と思うとともに、女性であることの
楽しさを教えてくれる物語です。

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