ぬこのイラストブックれびゅう

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雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

お金の動きから日本が見えてくる

キミのお金はどこに消えるのか 』の

イラストブックレビューです。

編集

 

少子高齢化増税、終身雇用崩壊、弱者切り捨て…。
不安要素が盛りだくさんな日本て大丈夫なのか?というか自分の将来は
大丈夫なのか?といろいろ不安を感じるアナタへ、笑いながら経済のキモが
わかるコミックエッセイ。

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「中国人嫁日記」の著者が描く経済コミックエッセイです。
漫画家でありおもちゃ会社の取締役である著者。そして、彼のお嫁さんは中国人の
月(ゆえ)さん。彼女が感じる素朴な、そしてお金に関する鋭い質問に
著者が答えていきます。

円安で高くついてしまった中国への送金。差額分、つまりこちらが損して
しまった分のお金はどうなったのか?誰かがもらっているのか?
お金の本質とは何?物価の安定ってどういうこと?など、お金についての
基本的なことから経済の動きの仕組みまで、質問は多岐に渡ります。

お金の動きと同時に見えてくるのが日本のこと。デフレが長く続く日本。
個人の財布の紐は固く閉められ、お金の動きが停滞しています。
そこへ声高に叫ぶ議員たち。高齢化により日本は医療費で潰れてしまう!
…と言いますが。実際はどうでしょうか。

医療費が高くて困ってしまった政府は日本銀行赤字国債を買ってくれ、と
お願いします。こうして手に入れたお金を政府は医療機関や介護機関にドーンと
払う。すると、みんながお金を手に入れて、経済が回るので税収が増える。
医療費の負担が減れば、元気になった人が増えるから結果的に経済が回る。

医療費を抑えろ!とか言ってないで、国はどんどこ医療費に投入すべき。
これは医療費に限ったことではなくて、貧困者への生活保護子育て支援
障がい者福祉など社会保障全部に言えることなのです。
うん、たしかに保障される分が増えれば、お買い物も積極的にできますよね。

お金をテーマにしている本ですが、このように日本という国の姿も浮かび
上がらせてくれます。報道で流れる情報もほんの一部分で、不安を煽るような
言いっぷり。目の前の、自分だけのお財布からちょっと視点を広げて、お金とは
経済とは、そして日本は、と見てみれば受け取る印象もだいぶ変わります。

世の中を動かすお金の仕組みを理解できると、日本という国の政策にも
もっと興味が湧いてくるかもしれません。自分の将来のために、または未来を
担う子どもたちのためにも知っておいて損のない、お金の仕組みが楽しく学べる、
コミックエッセイです。

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