ぬこのイラストブックれびゅう

ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

「変われない」を変えるヒントがここにある

スイッチ! 「変われない」を変える方法 』の

イラストブックレビューです。

編集

 

仕事の先延ばし、禁煙やダイエットの失敗。個人でも、組織でも良いと思われる
方向へと変われないのはなぜ?それは私たちの中で「象(感情)」と「象使い
(理性)」が戦っているからです。双方の特性を理解し、上手に訴えかければ
簡単に変化を起こせるのです。

f:id:nukoco:20190221091311j:plain

 

現状を変えたい、改善したい。それなのに、なかなかうまくいかない。
状況によっては個人の資質に問題があるから、という一言で片付けられてしまい
そうですが、本書では個人の資質には目を向けません。人を変えるよりも状況に
視点を置き、改善を図ります。

人間の中には「象(感情)」と「象使い(理性)」が存在し、物事の判断や実行を
それぞれが優位に立ったり、劣勢になったりしながら行っています。
ダイエットで言えば、象使いは長期的視点に立ち、冷静に判断を下すことが得意
なので目の前のケーキの誘惑にはとらわれないでしょう。しかし、象は衝動的に
行動しますし、長期的視点は苦手。象が優勢にたてば、目の前のケーキへの欲望
を抑えることは難しい。ダイエットは明日から、という声を囁くのも象のしわざです。

さて、ダイエットを失敗してしまうのは本人の問題でしょうか。性格を変えないと
我慢強くならないと、スマートな身体を手に入れることは不可能なのでしょうか。
象が強く働いているのであれば、象が活発にならないような工夫をすれば良い、と
いうことです。例えば、食べ物があると食べてしまうのであれば、その食べ物の
量をはじめから少なく用意するなど。ご飯のお茶碗を、今までのものよりも
小さいものにする、などの方法が有効です。

このように、象が強く働いてしまう時には状況を整えてあげる。
逆に象使いが強く働いてしまう場合はどうでしょうか。理性が優っている象使いは
行動には慎重です。そして、納得のいく動機付けをしてあげることが大切です。

問題行動を起こしてしまう少年などの個人問題から、事故を防ぎたい病院での
業務の工夫などといった組織の問題まで、さまざまなパターンの、変化は困難かと
思われる状況が改善された具体的な例を多数紹介しています。

象使いに働きかける手法としては、ブライトスポットを見つける、大事な一歩の
台本を書く、目的地を指し示すなどの方法を紹介。
象に働きかけるには、感情を芽生えさせる、変化を細かくする、人を育てると
いった方法を解説。そして、最終的に道筋を定めるために大事な要素として、
環境を変える、習慣を生み出す、仲間を集める、変化を継続することを説きます。

今の状況を変えたい、しかしなぜか変えることができない。
そんな思いに駆られている人には、おススメです。自分では気が付かないうちに
周囲の状況や感情に流されて、思うように動けなくなっているのかもしれません。
そんな状態から脱するヒントがこの中には詰まっています。

にほんブログ村 本ブログへ
本・書籍ランキング