ぬこのイラストブックれびゅう

ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

自分の中にある言葉を出せていますか?

「言葉にできる」は武器になる。』の

イラストブックレビューです。

編集

 

どんなに言葉を磨くスキルを学んだところで、自分の気持ちを把握していなければ
強い言葉を生み出すことは出来ないのです。考え抜き、整理し、さらけ出す。
このプロセスを正しく経ることで、あなたの言葉は人を正しく導く「旗」と
なるのです。

f:id:nukoco:20190126181200j:plain

頭の中で考えていることが、言葉となって出てくるものです。しかし、その頭の中の
ものを正確に言葉に出来ているでしょうか。また、それはよく考えた結果、
出てきた言葉でしょうか。

企画書や、報告書などの仕事で作成する文章や、SNSなどで発信する文章・
コメントなど、あらゆるシーンで必要とされる文章力。小手先のスキルは
学べば身につけることができるかもしれませんが、本当に大切なのは自分の
中にある言葉を発することができているかということです。

自分自身の感じる基準となる軸を理解し、その上で整理し吟味された言葉を紡ぐ。
そうして作られた言葉が、読む人に共感を呼び、説得力のある強い文章と
なるのでないでしょうか。

本書では、自分の心の内なる言葉に注意を払い、全ての言葉を書き出し、
整理した上で深めていく具体的な手法を解説しています。

大きな紙もしくは付箋などに思いつく言葉を、一枚につき1つずつ書いていきます。
そして、出来上がった紙を分類していきます。適切なグループの言葉を、さらに掘り下げて
いきます。こうした作業をしていくことで、頭の中で同じ考えぐるぐる巡るといった
無駄な行為も防ぐことができますし、言葉を並べることで、新たな発想を得ることも
できるでしょう。

こうした作業を踏まえた上で、比喩や反復、対句など具体的な手法も紹介します。
著者は電通のコピーライターということなので、キャッチコピーを作るような
イメージで言葉を紡いでいきます。しかし、この一言で言いたいことを表す、と
いうのは、企画書でもビジネス文書でも、SNS上でも主張の核となり、かつ全体を
表す大事な一文になるのだと感じます。

自分の場合はどうしても考えが浅くなりがちなので、文字に起こす前に、内なる言葉に
対して、あらゆる方向から思考して広げたり深めたりすることが必要だなと思い知られました。
実際、毎回何かのために考えを深めるのは難しいかなとも思いますが、
いろんな方向から考えてみるという思考のクセをつけるのは、文章を書くうえで
プラスに働くことは間違いないでしょう。

「言葉にできない」ことは、「考えていない」のと同じである。

表紙に書かれた言葉が深く刺さった人は、この本を読みましょう。
言葉を作ることは、自分と対峙し、かつ自分を広げ、深めること。
そんなことを教えてくれる一冊です。

にほんブログ村 本ブログへ
本・書籍ランキング