ぬこのイラストブックれびゅう

ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

あなたの脳は、ひらめく力を持っていますか?

退屈すれば脳はひらめく 7つのステップでスマホを手放す 』の

イラストブックレビューです。

 

メールチェックや写真撮影など、何気なくスマホをいじるその行動が
あなたの思考やひらめきを奪っている。真の創造性、生産性は、ぼーっと
している時にこそ生まれるのだ。誰もが持つ空想力や創造力を取り戻す
ためのクリエイティブな「退屈タイム」を生み出す7つのステップを
紹介。

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ラジオ番組などを手掛ける著者は、ある時アイディアが枯渇している自分に
気がつきます。それはどうやらスマホが原因のようだ、と見当がつきました。
ゲームやニュース、メールチェックにショップの検索。仕事や育児の合間に
できた隙間時間には、いつもスマホを手にしています。

体が動いていない時でも、常に脳へと情報を送り込んでいます。
その結果、頭の中は情報でいっぱいになるけれど、情報を得たことで満足
してしまって、すぐに忘れてしまう。得た情報を組み合わせて新しい発想を
作り出すようなこともできない。気がつけば、スマホを手にしたまま
2時間が過ぎていて、そこには意識はハッキリしているけれども、疲労
を感じている自分に出会うのです。

著者は自身のこうした状況に危機感を感じ、番組内である実験を行います。
デジタル機器との関係を見つめなおし、ぼんやりする時間を取り戻そうという
彼女のよびかけに、全米のあらゆる州から2万人以上が参加しました。
全米においても、多くの人々がスマホを手にし続けることに対して、何らかの
不安や問題を抱えている、または問題があるのではないかと考え、関心を
持っていることが伺えます。

まずは退屈することで得られるメリットを説明した後、段階を経て、その
有益な「退屈時間」を生み出すためのステップを解説していきます。
まずは、自分のスマホ利用状況を理解すること。次に、移動中はスマホ
手放すこと。1日写真を撮らずに過ごすこと、アプリを削除すること…。

各項目について参加者や著者の体験談、学者や医者の見識などを織り交ぜ
紹介します。インスタ、フェイスブック、ゲーム、ショートメッセージ…
さまざまなパターンでスマホを手放せない人々事例があるので、どれか
自分に心当たりがのあるものを見つけられるかもしれませんね。

自分の場合は、集中力が落ちているように感じている事や、著者が
言うようにまさに頭の中が情報がいっぱいなのにアイディアや創造性が
出てこないなあと感じられることがこの頃良くあります。

そこで先日、一日中スマホやPCに触れない日を設けてみました。
すると、暇なので子供達と散歩に出かけ、見たことのない虫を発見したり、
花がたくさん咲いていて、香りが漂っていることを感じたり。
「今ここにいる」という感覚を強く感じることができました。

発想力や想像力がアップしているのかどうかはわかりませんが、
香りや温度、色などを実際に見て感じることで、充実感や幸せな
感覚を覚えました。いかに普段、こうしたことに目を向けず、また感じて
いないのか、ということがわかります。

本書は、スマホを排除するわけではない、と主張しています。
使いこなせば生きていくのにとても役に立つツールであることは
間違いありません。自分の意思で、上手に利用することが大切なのです。
適度にスマホを使いながら、自分の目の前にある現実の世界を堪能し、
創造性と喜びに溢れた人生を送ろう。そんなことを教えてくれる一冊です。

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