ぬこのイラストブックれびゅう

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雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

人生100年時代どう生きるか

読書人が集う『シミルボン』にて、インタビュー記事掲載!

 

https://shimirubon.jp/columns/1691046 

 

LIFE SHIFT 

100年時代の人生戦略 』の

イラストブックレビューです。

 

寿命100年時代。あなたはどう生きますか?
お金偏重の人生を根底から変える、成長至上主義の次に来る、
新しい生き方。

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世界的に平均寿命は上がり続けています。このペースでいくと、
2007年生まれの50%が104歳まで生きるといいます。
65歳で定年したとすると、なんとその後40年近くも生活して
いかなくてはなりません。

本書では、現代までの資金計画、雇用の未来、見えない「資産」について解説し、
後半にはこれから迎える未来について、お金や時間、人間関係
などについて分析しています。

1945年生まれのジャック、1971年生まれのジミー、1998年生まれの
ジェーン。この3名のこれまでの人生、これからの人生をシュミレート
しているので、世代別に各々の人生と照らし合わせることができます。

これまでの人生は、分割すれば教育・仕事・引退の3ステージに分けられていました。
そして、年金などについても、この考え方に基づいて各国で設定されています。
しかし、平均寿命が長くなっていけば、国は年金を払いきれなくなる可能性が
高い。104歳まで生きるために必要な資金を手に入れるには、いつまで働けば
良いのかというと… なんと80歳まで!!…体が動くのでしょうか?
リアルに娘世代の話なので笑って過ごせないものがあります。

身体面では、健康啓蒙活動が浸透してきており、健康年齢が上がって
来ているというデータもあるので、その年齢まで元気に活動する人が
増えていくと考えられます。そういえば、自分の親もそうですが、70歳過ぎて
山へ登ったりしてとても元気です。30年ほど前には、70歳といえば結構な
老人だったと思うのですが。高齢化が進むのであれば、充実した人生を
送るためにも心身のメンテナンスが重要となります。

未曾有の長寿時代に入ることで、大きく変わるのは働き方。
現代では、例えば同じ会社に定年まで40年近く働く方もいると思います。
しかし、80歳まで働くとなれば、さらに20年。連続して60年です。
そんなに働くのは想像しただけで嫌になってしまいますし、心身ともに
かなりのダメージを受けてしまいそうです。

そこで、提案されているのが「人生の可能性を広げる」ことです。
今までの教育・仕事・引退の3ステージから、別の可能性を探ります。
キャリアを途中で変更する(これまでの経験を生かし、給料は下がるが
充実した仕事へと移行)3.5ステージ、働きながら起業準備を行い、
整った状態で独立する(リスクはあるが収入は見込める)4.0ステージなど。

さらにジェーンの世代では⒌0ステージがある可能性も。
いずれにしろ、各世代のシュミレーションは、なかなか厳しい印象を
受けます。資金面からも詳しく分析しているので、人生の各ステージで
どんな資金が必要となっていくのかも記述されています。長く生きるんだから
お金は必要。まあ、単純にいえばそんなことです。

ほかに長い人生に必要なことは何か?
家族との関係や、趣味に費やす時間など、長い人生だからこそ満足のいく
選択肢を持つことができるとも言えます。共働き夫婦であれば、出産を機会に
互いに交代で育児休暇を取ったり、退職し、集中して子育てした後にまた別の
キャリアを目指して転職する、という方法も。この点は日本では必ずしも
同じとは言えないかもしれません。ただ、時間が豊富にあるからこそ、
必ずしも一つの環境に長く身を置いておく必要はないのです。

ある意味、自由に人生設計しやすい時代になってきたのかな?
そんな風にポジティブに捉えています。
長く楽しく生きるには、健康な心身を保つこと。お金があること。
引き出しを多く持つこと。引き出しは、能力であったり、人間関係で
あったり様々ありますが、自分の強みがいくつも見つけられるといい。

何よりも大事なことは今の常識は、20年後には通用しないだろうということ。
この仕事であれば安心、こんな生き方をしていれば大丈夫、なんてことは
ないだろうということ。いつでも好奇心を持って情報収集し、行動する
頭の柔らかさと丈夫な体を持っていれば、充実した100年ライフを送れる
のではないでしょうか。のんびりとはしていられないですが、誰もが
活躍できる時代がやってきたのだ、そんな印象も受ける一冊です。