ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

不思議でおかしな作家の頭の中

つぶさにミルフィーユ The cream of the notes 6 』の

イラストブックレビューです。

「全てがFになる」など人気作品を生み出したベストセラ作家が
大切なぬいぐるみのことから都会の脆弱性にまでするどい
観察力と独特の価値観、優れた論理力で語る人気エッセイ・
シリーズ第6弾。

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1話見開き2ページで、合計100のトピックを綴ります。
内容は実に多彩です。作家という仕事について、趣味である
庭園鉄道の建設作業について、社会情勢や自分の生き方について
などなど。

自身が手がける作品のほとんどは、シリーズであり、タイトルも
韻を踏んだものが多いことからもわかるように、ひらめきで
仕事をするよりは熟考して物事を考え、実行している著者。
今後2年間は仕事が埋まっており、新たに受けるとしたら
その後になる、というすごい状況です。締切に追いまくられることが
ないという、あこがれの作家活動です。

それも従来の作品が充分に売れているという実績あってのこと。
そして、その売れている状況に対しても冷めた目線で事実を
受け止めています。現在はファンクラブ(!)での活動以外は
表に出ないと決めているようで、どうやら作家としての名声には
興味を持っていないようです。

気難しくて、他人の考えは受け付けないめんどくさい人なのかな?
と思いきや、ユーモアある描写もあったりして、どうも著者の
手のひらで転がされているような感覚になります。
読めば読むほど著者のことがよくわからなくなる、謎と魅力に
満ちたエッセイ集です。