ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

心の奥に置いておきたい 小さな愛しい出来事

ニューヨークの魔法のかかり方 』の

イラストブックレビューです。

 

人と接するのが怖いときも、心がスッと軽くなる。
そんな泣きたくなるほど愛しく感じられる話を、英語の小粋な
フレーズとともに贈る。「ニューヨークのとけない魔法」シリーズ
第8弾。 

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ちょっとした会話がそこかしこではじまる。人懐こくてお節介。
それは孤独であることを理解しているから。その時一度きりの
出会いを大切にしているのがニューヨークという街の人々。

歩いていたらバルーンアートしているおじさんに、風船で作った
虹をもらった著者。彼の生活は決して楽ではないけれど、子どもを
笑顔にしたくてこうして風船を作っているのです。

切なくて、でも温かい気持ちにさせてくれた風船売りのおじさんに
もらった虹を抱えて歩くと、今度はまた別の魔法がかかります。
通り過ぎる人が笑顔になり、「すごいね!」と話しかけてくるのです。
風船売りのおじさんは子どもだけでなく、大人までもを笑顔に
してしまったのでした。

後日、そのことを伝えようと風船売りのおじさんを探してみたけれど
二度と会えなかったそうです。なんだかおとぎ話のような、そして
心がぽわんとあたたかくなるお話です。

こうした一度きりの出会いから、心に残る瞬間が生まれる街、ニューヨーク。
孤独を胸に抱えながら、ジョークで乗り越え、日々のちょっとした
出来事や、人との出会いを大切にする彼らの、やさしい話を読むと、
なぜか自分も知らない人に親切にしてあげたり、会話を楽しんで
みたくなるのです。それは、自分もニューヨークの魔法にかかって
しまったのかもしれません。