ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

ロボットに芽生える家族愛にキュンとする

ロボット・イン・ザ・ハウス』の

イラストブックレビューです。

 

ベンと元妻であるエイミーに、女の子のボニーが誕生した。
イヤイヤ期のぽんこつロボット、タングは「妹」の世話をしようと
張り切ったり、「妹」にヤキモチを焼いたり。そして一家を脅かす
謎のロボットとは。面倒臭くも愛おしい、ロボットと人間たちとの
家族の物語。

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ロボットでありながら学習能力を持ち、感情や思いやりを学んでいく
男の子のロボット、タング。彼なりに小さな妹、ボニーをお世話したい、という
気持ちがひしひしと伝わって来てます。でもハイハイするボニーのスピードに
追いつくことができず、お掃除ロボットの上に乗って移動しようとして
壊してしまったり、なぜか呼び方が「ボニー」と言えず「ボンニー」だったり。
この不器用さと一生懸命さがたまらなく可愛らしくてほほえましいのです。

タングの所有権、動力源、謎のロボットに夫婦のよりが戻るのかどうか…。
次から次へとやってくるトラブルをひとつずつ乗り越えて行くたびに、
彼らの絆が深まっていくのがわかります。

なかでも小さな妹、ボニーの存在がひときわ光っています。
一歳くらいの赤ちゃんは怖いもの知らず。
タングが困るかどうかなんて考えず、思った通りに振舞います。
だからこそ、彼女がタングに向けるまっすぐな行動と気持ちには
胸を打つのです。困っているタングを助けようとする赤ちゃんには
ほっこりします。

そして、本作を楽しませてくれる軽快でウィットの効いた文章は
優れた訳によるものだと思います。さらに、カバーイラストは
一目見たとたん、タングはこの姿以外にないな!と思うほどの
愛嬌のあるロボットとして描かれています。
カバーイラストは酒井駒子さん、訳は松原葉子さんが手がけており、
優秀な日本人スタッフにより、素晴らしく温かみのある、抱きしめたくなる
作品に仕上がったのではないでしょうか。

『ロボットインザ・ガーデン』の続編となる本作。

1作目では、タングのわがままぶりというか意志疎通の困難さ加減に、
主人公のベンと同じくうんざりとしてしまいましたが、その反動なのか、
今回のタングのかわいさがとても強く感じられます。
憎さあまってかわいさ100倍!
あのわがまま坊主がねえ… としみじみするシーンも。

続編ともなるとややパワーが落ちるかと思いきや、前作からさらに
成長したタングと、よりいっそう互いの愛情を深め、子育ての大変さを
学び、人間として親として成長したベンの姿に、胸が熱くなる、
とってもハートフルな物語です。