ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

対人関係療法の観点から考える自己肯定感

それでいい。』の

イラストブックレビューです。

それでいい。

それでいい。

 

ネガティブ思考クイーンの漫画家、細川貂々さんが、
精神科医で、対人関係療法の第一人者、水島広子先生に
会いに行くコミックエッセイ。

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人のことを妬んでしまう、コミュニケーション取るのが苦手、
自分にはできない事が多い…。
ネガティブ思考にかけては自信あり(?)な細川貂々さんが
水島先生に相談すると、返ってきた答えは「それでいい」でした。

スピリチュアル的、精神論的な「ありのままでいい」という本は
多くありますが、こちらは対人関係療法に基づいて自己肯定感を
持つところから対人関係のトラブル解決方までを解説しています。

『ツレが鬱になりまして』の原作者として、一躍有名になった細川貂々さん。
頑張り屋さんなイメージがありましたが、ネガティブクイーンだとは
知りませんでした。どうやら、子供時代に母親からそういった
価値観をうえつけられたようです。毒親と言われる類でしょうか。

仕事が順調な人が羨ましく、妬んでしまう。
期待に応えられない自分をダメ人間だと思ってしまう。
人づきあいが苦手。
大人しくて何でも聞いてくれそうだと思われる。

などなど、数々の悩みを持つ貂々さん。
それは、親から押し付けられた「人生にいいことなんて何もない、
だから絶望して生きなさい」(なんというひどい教えだ)という
価値感をベースに、必死に「あるべき姿の自分」「世間に
良しと思われる自分」を追い求めていたのが原因のようです。

自分に価値はない、という気持ちが根底にあるのであれば、
喜びや満足感も充分に得られることは難しいと思います。
自分の力でうまくいったとしても、たまたまだ、とか、相手が
よかったのだ、とか手放しで自分のことを褒めてあげられない
でしょう。

自分のことを認められないままの対人関係では、自分の本当の
気持ちを伝える事ができないですし、相手のことを理解するのも
難しくなると思います。

対人関係療法とは、病気は対人関係の中で起こり、また対人関係の
中で治るもの、という考えに基づいて行われる治療方法です。
この対人関係療法の観点から、貂々さんのネガティブな悩みを
解決していきます。

人との距離感や、自分は相手に対してこうあるべき、といった
考えが凝り固まってしまっている貂々さんに、ひとつひとつ
マンガと解説文でわかりやすく説明してくれます。

対人関係のコミュニケーションで起こるズレに
ついても解説しています。
間接的で曖昧な言葉、言葉を使わないコミュニケーション(態度)、
沈黙、などはズレが起こる原因となりやすいです。
これは家族などの身近な人にほどそんな対応をしがちなので
気をつけたいですよね。

例えば夫にイラっとする。まずその自分を認識する。
「自分、イラついてるなあ」と感じた上で、言葉を使って相手に
伝える。感情をぶつけるわけじゃないですよ!
こういう理由で嫌だから、こうしてほしい、とかしないで
ほしい、とか。
自分の例で言えば、余裕がある時は意識してできますが、テンパってくると
感情をぶつけてしまったりしています。
なんでしょうね、相手に対して甘えているのかもしれません。

付き合いが長くなればそんな風に考えながら相手と接する
ことを面倒だな、と思う部分も増えてきますが
ズレが重なっていくといつか大変なことになると思うので
ズレが生じないよう、心がけていきたいと思います。
対人関係や、自分のことに対してストレスを感じている方など
一度手に取ってみていただくことをオススメします。