『もしも高校四年生があったら、英語を話せるようになるか』の
イラストブックレビューです。
- 作者: 金沢優
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/02/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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英語を話すこと挫折してきた英語教師、真穂が気づいた今の
英語教育の問題点と新時代の勉強方法とは。
英検準一級、TOEIC930点。
英語の勉強には自信があるが、会話がてんで苦手。
聞き取れないし、会話のスピードについていけない。
そんな英語教師、真穂が偶然出会った英会話教室。
そこには強烈な個性を持ち、とてつもなく流暢に美しく
英語を話すスタッフと学院長がいたのです。
日本英語教育において優秀な成績を取っている方は
多くいると思います。しかし、その反面、会話となると
打って変わって自信をなくしてしまう、という方も
やはり多くいらっしゃるのではないでしょうか。
その理由は何なのでしょう?
日本の中学高校における英語教育の問題点を、具体的に事例を交えて
わかりやすく解説してくれます。
例えば、
『訳しながら話していては時間がかかってしまい、会話が
成立しない』こと。
『無理に日本語の表現に当てはめて訳してしまうため、英語本来の
意味と異なってしまうこと』などなど。
だからこそ、見る→文章を考える→英語に訳す、のではなく
見る→英語で表現することが必要なのです。
つまり、リンゴの絵を見る→リンゴだな→appleだ、ではなくて
リンゴの絵を見る→appleと出てくるようにすること。
ひたすら目にするものを、日本語が頭に入る前に英語で瞬間的に
出す、ということです。これはまさに訓練ですね。
こうした、英語を身につけるためのヒントも散りばめられています。
主人公、真穂はこの英会話教室で英語の筋力を鍛え、
その力をつけるとともに教師としても成長していきます。
先生同士の対立や軋轢、生徒の成績なども、
大いに物語を盛り上げてくれます。
青春小説としても楽しめますし、何より英語を話す、ということについて
考え方・心構えから学び方まで幅広く教えてくれる、そんな本だと思います。
実際に英語を勉強してきたけれども、どうも話せるようにならない、
といった経験がある方には今後の勉強方法のヒントとなり、
また過去に英会話を勉強していてやりきれずに挫折してしまった方には、
再度努力してみたい、と思う気持ちにさせてくれるような一冊です。