ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

熱さと冷めた部分のバランスが良い

5年3組リョウタ組』の

イラストブックレビューです。

 

5年3組リョウタ組 (角川文庫)

5年3組リョウタ組 (角川文庫)

 

 

茶髪にドクロのペンダントヘッドのネックレス。
副校長と話をする時にはそのペンダントヘッドをそっと
Tシャツの中に隠す…

ものすごく熱意があったわけじゃないけど、とりあえず
受けてみようと臨んだ試験に合格。小学校の教員となってから3年になる。

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熱血、でもなくて、なんとなく教師になって、見た目は少々軽い。
イマドキの要素をふんだんに持ち合わせた5年3組担任のリョウタ先生。

この小学校では学年ごとにクラス対抗の試験があり、生徒の試験の
合計点数を人数で割る、クラス平均が高い方から1位、2位、と順位を
つけられる。リョウタのクラスは5クラス中最下位。
その結果に落ち込みはするけれど、とらわれることもない。明るいのだ。

クラス対抗トップを走り続ける2組の担任にライバル視されて戸惑うが
互いに腹を見せ合い、協力して生徒や学校とのトラブルを乗り越えていく。

単純で飄々とした部分も持つリョウタ先生と完全無欠の若きエース染谷先生の
コンビは、池袋ウエストゲートパークのマコトとタカシを彷彿とさせる。
こちらのほうがややマイルドな雰囲気ですが。

小学校の先生は、テストの採点×生徒数、授業の準備、会議などなど
日々雑務に追われていて、かつ生徒のトラブルが発生するとなると
本当に毎日忙しい。

だからその時その時を、最善と思う道を都度選んで進んでいくしか
ないのだ、というリョウタの言葉は仕事と子供たちに対する決意を
感じさせる。

クラス崩壊に、教師同士のいじめ、生徒の放火の疑いなど、様々な
事件が起こる。子供は決して『イマドキ』なのではなく、周囲の
大人たちの状況や感覚が変わってきているのだ。

子供の目線を持って、理解し、支え、共に
成長していってくれるような、ステキなリョウタ先生。この先生に
教わる生徒たちは、人を思いやる、共感力の高い人間になっていく。
人間力を高めてくれるリョウタ 先生みたいな人に教わってみたかったなあ。