『コミック版 英国一家、日本を食べるWEST』の
イラストブックレビューです。
『英国一家 日本を食べる』コミックの西日本編。
京都の生麩や懐石料理、大阪が誇る庶民の味、
下関のフグ、沖縄の宮廷料理まで様々な味にチャレンジ!
東日本編に比べて、失速感があるのは仕方がないのか。
東日本は焼き鳥や焼き蕎麦、天ぷらなど、わりと
外国の人でもとっつきやすそうな食が紹介されていたが、
西日本ではフグやサザエ、ウミヘビ(!)など、日本人でも
好みが分かれるような、各地域での伝統的な食を多く取材されています。
そのせいか、やはり敷居が高かったのかな?
著者にとっておいしい!と感じられるものは前回よりも少なかった印象。
東日本である程度日本食の認識を高めたために、より日本的な
食を試してみようと思ったのでしょうか。
それにしても、さばいた後のフグのキモに指をつけて舐めてみるとか
(毒があると知ったうえで!)ダメでしょ。
事なきを得たから良かったものの、冗談では済まされない。
著者のマイケル・ブース氏は、こういった子供っぽい所を持ち合わせていて、
東日本編ではお茶目でユーモアある人のように映りましたが
今回は受け付けませんでしたね。
フグを調理する方も、油断できませんね。まったく。
他にも、心霊体験したり、お子さんが身体的トラブルにあったりと、
マイナス要素が全体的に強かった。
それと、食自体よりも、その食事をする際に起こった出来事のほうに
焦点を当てているようで、消化不良。食自体の文化的意味への感想を
もっと聞きたかった。
東日本に比べて楽しい要素が少なかったために、読後感は今ひとつ。
ただ、元気盛りの子供たちを連れて、日本各地を巡ったことは
素直にすごいなあと感じます。
そして、日本の食文化をジャーナリストの目線で子供達や読者に
伝えてくれたこと、そのようにして日本の食文化を広げ伝えてくれることは
非常にありがたいことです。
自分の子供たちに日本の食文化とは、と説明するにも役立つ一冊に
なってくれたと思います。