小劇団、シアターフラッグ。
度重なる赤字運営により、劇団は解散の危機に追い込まれる。
そこで手を差し伸べてくれたのは劇団運営者、巧の兄である司だった。
非常に分かりやすい、
劇団再起に向かっていく劇団員たちのストーリーです。
キャラクターがそれぞれクッキリと浮き出ており、個性が強い。
愛され弟キャラの巧、ツンデレ兄貴の司。そして劇団の空気を変えた
新入りの千歳は大人しく見えてコンプレックスの塊&負けず嫌い。
気になるのは、全体的に表現やセリフが大げさというか、それこそ芝居っぽい?
逆にあえてそのように意識されているのかなとも思いますが。
展開は見通しがつきやすいところはありますが、ポンポンポンと
物語が進行して行くスピード感は気持ちいいものがあります。
そして、劇団の運営管理がテーマとなっているのですが
ここの表記は楽しめました。予算管理の仕事もしたことがあるので、経費の
節約具合や、タイアップに持ち込んでしまえ!といった箇所は
どこも同じなんだな、と。なるべく手と金をかけずに利益を出したいですよね。
それから演じるが側がお金に無頓着であること、ここも共感です。
制作側は縛りがないとどこまでも飛んで行っちゃうんだよね〜、うんうん。
ラノベのような、マンガのような、ドタバタしたやりとりは有川さんの
売りの一つではあると思うのですが、とりわけこの話は動きが大きいようです。
共感しきれずに、ちょっとしらけてしまう部分もあり。
個人的には静かな展開話のほうが好みかなあ。
芝居や劇団自体に興味がある人には楽しめるのでは
ないでしょうか。中学生の娘にも、楽しく読めたようです。
- 作者: 有川浩,大矢正和
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/12/16
- メディア: 文庫
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