ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

女が去った後、男に残された影

「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」
シェエラザード」「木野」他全6篇。
女が去った男たちを最高度に結晶化しためくるめく短篇集。

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村上春樹の短編集。共通テーマは、いろんな形で女に去られた男たち。
10代から50代まで、さまざまな年代の男たちが登場します。

中でも個人的に印象に残った話は「シェラザード」。
シェラザードは、定期的に訪れ性処理含め身の回りをしてくれる
事務的な関係の女性が、寝物語にしてくれるあらゆる話がテーマ。

自分の前世から多感な時期に起こしてしまった事件。
本当なのか、作り話なのかわからない、ファンタジーと現実が
入り混じる彼女の語りは心が惹きつけられます。

個人的な話は一切なく、事務的なかかわりであることを互いに
心がけているが、ある話をした後から彼女の個人的な面がわずかに顔を
覗かせて、二人の関係にほんの少し変化をもたらす。

周囲からセッティングされた間柄で(おそらく派遣のような)、
本人同士にはなんの確約もない。相手の名前も住まいも知らない。
明日から一切関わりがなくなってもおかしくない。

そんな関わり方でも、人と人の間には何かつながりのようなものが
発生すること。彼女についての情報は何の確証もなく、時がたてば
どんな顔なのか、声なのかも忘れてしまうに違いない。
それでも何かしらの形で、男に影を落とし刻み付けていく。
女にとって男とはそういうものなのかもしれません。

短編ではありますが、深い余韻を残す、どっしりとした話ばかり。
心の琴線に触れる部分が多かったためか、読み終わるとぐったりと
疲れてしまいました。
雨の日に、自分の内面と向き合いながらじっくりと読むのに適した
本だと感じました。

村上春樹の短編集。共通テーマは、いろんな形で女に去られた男たち。
10代から50代まで、さまざまな年代の男たちが登場します。

中でも個人的に印象に残った話は「シェラザード」。
シェラザードは、定期的に訪れ性処理含め身の回りをしてくれる
事務的な関係の女性が、寝物語にしてくれるあらゆる話がテーマ。

自分の前世から多感な時期に起こしてしまった事件。
本当なのか、作り話なのかわからない、ファンタジーと現実が
入り混じる彼女の語りは心が惹きつけられます。

個人的な話は一切なく、事務的なかかわりであることを互いに
心がけているが、ある話をした後から彼女の個人的な面がわずかに顔を
覗かせて、二人の関係にほんの少し変化をもたらす。

周囲からセッティングされた間柄で(おそらく派遣のような)、
本人同士にはなんの確約もない。相手の名前も住まいも知らない。
明日から一切関わりがなくなってもおかしくない。

そんな関わり方でも、人と人の間には何かつながりのようなものが
発生すること。彼女についての情報は何の確証もなく、時がたてば
どんな顔なのか、声なのかも忘れてしまうに違いない。
それでも何かしらの形で、男に影を落とし刻み付けていく。
女にとって男とはそういうものなのかもしれません。

短編ではありますが、深い余韻を残す、どっしりとした話ばかり。
心の琴線に触れる部分が多かったためか、読み終わるとぐったりと
疲れてしまいました。
雨の日に、自分の内面と向き合いながらじっくりと読むのに適した
本だと感じました。

 

女のいない男たち (文春文庫)