ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

気ちがいは果たしてどちらなのか

記憶喪失のふりをしていた男の意外な正体と驚異の顛末が衝撃的な表題作、
遠い惑星に不時着した宇宙飛行士の真の望みを描く「みどりの星へ」、
ある事件を境に激変した世界の風景が静かな余韻を残す「電獣ヴァヴェリ」
など、意外性と洒脱なオチを追求した奇想短篇の名手による傑作12篇を、
ショートショートの神様・星新一の軽妙な訳で贈る。

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ショートショートといえば、子供の頃、実家のトイレに置いてありまして。
予備のトイレットペーパーなんかが置いてある、少し高い棚の上。
そこに兄のマンガや父の歴史本、誰のものか不明な文庫本など
数冊があったのです。

小学校低学年くらいの頃、このようにトイレのお供として
ショートショートなるものを読んでました。
当時読んだものの内容は覚えておりませんが、「わけがわからないなあ」と
思ったことだけは覚えています。

大人になった今、この強烈なタイトルと、そんな子供の頃の事を
少し思い出してこの本を手に取りました。

宇宙人あり、悪魔あり、怪獣あり・・・と実に多様なストーリーたち。
各世界での状況など、設定がしっかりとしているのでどれを取っても
読み応えがあります。

続けていくつかの話を読んだら、頭の中がちょっと混乱してしまいました。
それぞれの世界が、パラレルワールドのように同時に存在している、
というような感覚に陥ってしまったためです。

それだけ、物語の世界に引き込まれたということかもしれません。

ちょっぴり皮肉的な要素を含むいくつかのラストシーンは、人間に
対して警鐘を鳴らしているようにも感じます。
読む者に何かを考えさせる、骨太なショートショートです。

我が家のトイレにも置いておこうかな・・・。

 

 

さあ、気ちがいになりなさい (ハヤカワ文庫SF)

さあ、気ちがいになりなさい (ハヤカワ文庫SF)