ぬこのイラストブックれびゅう

雑読猫、ぬこによるイラストブックレビュー。本との出合いにお役に立てれば幸いです。

言葉にできない、たくさんの思い

小学四年生のフミと、六年生のマキは
親の再婚で姉妹になった。
姉と仲良くなりたい妹、そっけない
態度の姉。とまどったり傷ついたり
しながらゆっくりと「家族」に
なっていく。

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反抗期でぶっきらぼうな言葉と態度の姉、マキ。
恥ずかしがりやで、気の小さな妹、フミ。

親の再婚で姉妹となった六年生と四年生の二人の女の子。

マキの、まっすぐに垂れたポニーテールが
うらやましい。でも自分は姉に拒絶されているのでは?
という不安。そして、不意に襲ってくる亡き母の思い出。

妹のフミは、小学四年生にしては少々幼い感じもしますが
基本的に素直、そして新しい環境に懸命に
馴染もうとする姿に応援したくなります。

姉のマキは、小学六年生らしい反抗ぶり。
しかし、芯がしっかりとしていてぶれない。
言葉は少なくても行動で示す、いざとなれば頼れる姉です。

姉妹をはじめ、それぞれが思いを抱える中
父親の「ゆっくり家族になっていけばいい」という一言が
心に沁みます。

重松清さんは、思春期の人物を描くことに非常に
優れている方だと思います。
この作品にも、その力が発揮されていますね。

自分は親の立場でこの本を読みましたが、子供が
自分の気持ちをなんて伝えて良いかわからないもどかしさを
こんなにも抱えているなんて、とハッとされられました。

1人ひとりも大切、家族も大切。
そんな、あたりまえのことを深く感じさせてくれるのです。

 

ポニーテール (新潮文庫)

ポニーテール (新潮文庫)