妻の病名は、致死性脳劣化症候群。複雑な思考をすれ
ばするほど脳が劣化し、やがて死に至る不治の病。
生きたければ、作家という仕事を辞めるしかない。
医師に宣告された夫は妻に言った。「どんなひどい
ことになっても俺がいる。だから家に帰ろう」。
妻は小説を書かない人生を選べるのか。極限に追い
詰められた夫婦を描く、心震えるストーリー。
思考すればするほど脳が劣化する不治の病にかかった
作家である妻。妻の意思を尊重し、生きていく決意を
する夫。
子供のいない、夫婦のラブストーリー。
そして作家という生き方の「業」を感じさせる。
Side:Bの、夫婦の立場が逆転したら、という
裏バージョンもまたおもしろい。
最後の最後まで気が抜けない。
「作家ってやつは!」と思わず唸ってしまう。